わしが教えたる!父と子の中学受験

2022年受験の長男(ぽーやん)が麻布かどっかに入るまでのお勉強をがっつり後押し。2019年受験の長女とけは塾なしで乗り切りました。

4年生で習得しておきたいつるかめ算の範囲

 今週の算数の単元は,つるかめ算
 こいつは,速さとの関係など,しょっちゅう顔を出すので,ま,そのうちだれでも習得できる。心配しなくても,中学受験生でつるかめ算を解けないまま受験生を終えるということはありえない。

 典型的に難易度を増していくものとしていもづる算とか,個数等の比等から計算した仮想平均単価を使うなどする,3連つるかめ群があるが,ま,これは4年生がやるべき問題ではない。典型問題なので,煩瑣ではあるけれども,そのうち慣れる。頭が混乱するような算数的難しさはない。

 しかし,4年生はただ普通につるかめ算ができて,弁償算が出来ればそれで良いというわけではない。

 4年生がやるべき問題で,難しいのは,いわゆる弁償算と呼ばれるもののうち,勝敗の回数が分かっていないもの。これに尽きる。きちんと場数を踏んでいないと,混乱もするし,他の問題類型と混同もする。
 例えば,ジャンケンをして,勝ったら箱から玉を5つ取ることができ,負けたら箱に3つ玉を返さなくてはならない。何回かジャンケンして,兄は47個,弟は23個手元にある。兄の勝敗は。ただし,あいこはカウントしない(あるいは,あいこの場合は2人とも玉を取りも戻しもしない。全部で50回ジャンケンをした,という一見混乱を誘うような条件でも同じ),というような問題。

 玉は2人合計で70個増えてる。ジャンケン(あいこを除く)1回あたり,2人合わせて考えれば2つ増える。ちゅうことは,ジャンケン(あいこを除く)は35回。
 これが出れば,あとは,兄が全部勝ったとき(175個になる)との違い(175-47=128)を,1回勝ちを負けに置き換えると8個減るから,8で割って,16。16回負けました,と。

 これ,小問で何回ジャンケンをしたか(あるいは,あいこは何回だったか),と聞かれると気が付く子が多いのだろうけど,小問なしにいきなり勝敗を聞かれると,困っちゃう子が多い。

 さらに混乱しやすいのは,個数ではなくて,「差」に着目すべき問題。
 上と同じ条件で35回勝負したら持ってる玉の数の差が40個になった,兄の勝敗は,というもの。
 最初に差はない。全部兄が勝っていたとすると,差は280も開くはず。でも40しか開いていないから,差240個分(勝ちと負けを)交換せんなんならん。
 ここで,勝ちを負けに変えるとどれだけ変わるかということを考えると,「個数」に着目することに慣れちゃってるから,8個変わる,と考えてしまいやすい。
 違う違う。今回考えているのは,個数の「差」。ようく考えてみる必要がある。8個じゃないで,16個変わるで。勝ちを負けと交換したら。「差」は。
 ここが難しい。ここさえ乗り切れば,240を16で割った15が負けだとすぐ出る。
 コイツは別解でやっても良い。勝負の回数の合計は35回。勝ち負け同数の部分をおいておいて,差が生じた部分の回数を考えると,勝ち負けの差で40の個の差が生じて,1回の勝ちが多いと8個差が付くから,差は40割る8で5。勝ち負けの数で和差算やね。負け15とすぐに出る。こっちの方が考え方としては楽なように思うけど,上記のような,「差」は8じゃなくて16変わる,というところに気が付くという経験は,是非とも重ねてもらいたいな。

 ということで,ころころ転がっている小さな消しゴムを使って実演してみたけど,ぽーやん,分かってくれたかなぁ。1日目はほけーっと理解をあきらめたような顔で,2日目1回目はうーん・・そうなる理由がいまいちピンとこないといい,2回目はうーん・・分かったような気がする。だって(実際の)消しゴムの数はそうなってんじゃん,というところまで。
 週テストまでにあと1回はやりたいし,組分けまでにはもう何度か繰り返して(組分けに出題される確率は80パーセントを超える。),ま,その後も折を見て解き直してみるべき問題類型である。

 植木算と(この)つるかめ算
 これが,5年生以降再度独立単元として登場しないが入試に頻出であって習得が必須な4年上の二大巨頭である。いや,上下巻を通してみても,この2つの単元に勝るものはない。言ってみれば,4年生ではこの2つを習得しさえすれば良いといっても過言ではない。

 ちゅうことで,今日も消しゴムぽいぽい,やろかー。