国語は,いうまでもなく,読解力を涵養する科目であり,ことばや漢字・文法は,最終的な目的は読解力に収斂されるものと思います。
読解力を上げるためには,①まず,言葉を知らなければなりません。そして,②個人差はあれ読書量の少ない小学生には,文章の読み方の訓練が必要です。そして,③小学生が触れることの少ない,様々な価値観や社会事象についての基礎知識も必要になってくるでしょう。
① ことば
これについては,もう,反復させるほかない。家庭内で使うといっても,限りがあります。なので,エクセルで問題をつくり(ええ,ええ,作りましたよ。),これを反復させ,自分の中で「なじみのある言葉」にしてもらうほかありません。その他には,下記の参考書を使っています。
ただ,ちょっと誤解があるんじゃないかなぁと思うのは,慣用句とか四字熟語ではなく,やっぱり基本は,(二字)熟語そのものなんじゃないかということです。同音異義語とか,そういうものにばかり着目するのではなく,とにかく二字熟語はちょっと難しいのも理解させておかなければならない。そのために,下記を使おうと思っています。
これ,頻出の話題に関する語句が網羅されているのと,小学生に分かりにくい「抽象的な概念」(例えばアイデンティティーとか)の説明がコラム的になされていて,これがええなぁーと思います。
こういうことを考えて,議論する人が多いねんで,大人には,とけちゃん。というのが伝わりますように。
② 読み方の訓練は,もう,音読と多読に尽きますよね。線引きやらなんやらは,わたくしの経験からすれば,そんなに必要なことではない。たくさん読めば,自ずと文章の構成や緩急などは分かってくる。
しかし残念ながら,分かってはいても国語,時間取れないんですよね・・算数や理社など短期的に点数に直結することに目を向けがちで,これは反省せねばなるまい。読むのは,四谷大塚の予習シリーズ(基礎・演習・応用含む)。いい文章がそろっています。声を出して読ませたい日本語。
ただ,音読,これは,精読できているかどうかを確認するものとしては大切で,望ましいんじゃないかと思うんですが,わたくしの経験上は,音読なんかしてこなかったけど,国語は得意だったしなぁ・・・。国語はやっぱり,多読を通して,そりゃ当然これが答えでしょ,という域に達してもらうのが一番でしょう。文章慣れしていない子には,音読は,「声に出して読む」ということに注意が行きすぎて,中身を精読するという目的から離れていっちゃうような気もするし・・・
この点は試行錯誤が必要だと感じていますが,とりあえず,音読の上で解く読解問題は1日1つはやる。
「書き方」の力は,「読む」量を増やすことと,添削時の注意をていねいにすることと,模範解答を都度書き写すことで培っていってもらうしかない。社会の記述問題も,ばかにできません。これくらいの日本語,ちゃんと書かんようでは覚束ない。
国語はとにかく時間がかかるなぁ・・小学生高学年の予想外の心身の成長によって勝手にカバーしてくれへんかな・・と楽観的思考に逃れて呆然としていましたが,考えてみれば,難しい説明的文章として,身近に理科の教科書があるではないですか。これも日本語で書いてある上に,精読しないと理解ができないから,精読の訓練になる。ちょっと,理科,一人で教科書(予習シリーズ)を読ませる時間を増やしてみよう。
社会。教科書は優しい言葉で書いてあるが,これに,ちょっと難しい言葉を入れ込んでわしが文章を作ってやったらどうか。そうすれば,歴史の勉強をしながら国語の勉強にもなる。ということで,音読用歴史全範囲数時間マスター文を作成した次第。「元軍を撃退する」,「徳川の世が続くことを知らしめる」,「世界大戦が勃発する」とか。
国語の成績は他の教科に響くとよく聞きますが(そしてまた,それは全くそのとおりだと思うのですが),逆もまたしかり。他教科を通じて読解力をのばす。これは一石二鳥だ!理科や社会の,ちょっと難しめの文章を読ませるのも良いかもしれませんね。歴史漫画に頼っていると(歴史漫画は全然悪くないけど),読解力の向上という副次的効果は望みがたい。
③ 文章の題材になっている心情や社会事象。これらに対する基本的理解は,文章の理解に大きく影響するものと思います。しかし,これも,そういう文章をたくさん載せてくれている問題集の数をこなしていくほかないですかね。で,問題文を題材にして議論ができるようになれば,もう国語は心配ないんでしょうね。今は,おれはこの筆者がいうてることは,この点とこの点は賛成できるけど,この点は,こういう考え方に配慮していないから,説得力がないと思ったけどなぁとか,とけの理解を混乱させるようなことをいったりしているに過ぎませんが。
しかし,国語は時間がかかるが,仕方がないか・・